ほくろとは
ほくろは、皮膚の一部にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まることで、黒や茶色の斑点として現れる皮膚の良性腫瘍です。一般的には出生時から存在するものもあれば、成長とともに新たに出現するものもあります。ほくろは身体のどの部分にも発生しますが、顔や手、背中など露出が多い部位に多く見られます。
通常、ほくろは無害で、特別な治療を必要としませんが、外見的な理由や、変化が見られる場合には、治療や除去が検討されることがあります。
ほくろの原因
遺伝
家族に多くのほくろがある場合、遺伝的にその体質を受け継ぐ可能性があります。遺伝的要因は、ほくろの数や発生部位に影響を与えます。
紫外線
紫外線に多く晒されると、皮膚のメラノサイトが活性化され、メラニンが生成されやすくなります。これにより、ほくろが増えたり濃くなったりすることがあります。
ホルモンの変化
思春期や妊娠など、ホルモンバランスが変化する時期に、ほくろが新たに発生したり、既存のほくろが大きくなることがあります。
その他の要因
外傷や炎症がきっかけでほくろが生じることもあります。また、老化に伴い、ほくろが変化することもあります。
これらの要因が組み合わさることで、ほくろの発生や変化が引き起こされます。
ほくろの種類
色素性母斑
いわゆる普通のほくろで、黒や茶色の色素が濃く見えるものです。一般的には丸く、境界がはっきりしています。
色素性母斑症
先天的に存在する大きなほくろで、しばしば毛が生えていることがあります。
異型母斑
通常のほくろと異なり、不整形で色ムラがあるものです。皮膚がんの前兆となることがあるため、注意が必要です。
ほくろの種類を理解することで、異常な変化に早めに気付くことができ、適切な対策を取ることができます。
ほくろだと思っていたものが皮膚がんだった、というケースは決して珍しくはありません。
皮膚がんのうちの一部;メラノーマ(悪性黒色腫)や基底細胞癌では、見た目がほくろとよく似ていることがあります。以下のような所見がある場合には皮膚がんを疑うため、早めにご相談ください。
形状
ほくろは丸く対称的ですが、皮膚がんでは不整形で非対称のことが多いです。
境界
通常のほくろは境界が明瞭で滑らかですが、皮膚がんは境界がぼやけて不規則です。
色
皮膚がんでは色が均一でなく、黒、茶、赤、白、青などが混在していることがあります。
直径
ほくろの直径が6mmを超える場合、メラノーマの可能性があります。急速に大きくなる場合も要注意です。
進行
ほくろの大きさ、形、色が急激に変化する場合、皮膚がんの可能性が高くなります。
除去したほうがよいほくろとは
サイズの大きなほくろ
直径が6mm以上のほくろは、メラノーマのリスクがあるため、定期的なチェックや除去を検討する必要があります。
不規則な形状や色ムラがあるほくろ
不整形で色が均一でないほくろは、悪性化するリスクがあるため、早期に専門医に相談することが重要です。
日常生活に支障をきたすほくろ
服やアクセサリーと擦れる位置にあるほくろ、頻繁に出血するほくろは、感染症や悪性化のリスクがあるため、除去を検討することが推奨されます。
急激に変化するほくろ
急速に大きくなる、色が変わる、かゆみや痛みがあるなどの変化が見られる場合は、除去を含めた早急な対処が必要です。
専門医による診察を受け、適切な処置を行うことで、健康リスクを減らすことができます。
ほくろの治療方法
レーザー治療
レーザーを使ってほくろを除去する方法で、比較的痛みが少なく、傷跡も残りにくいのが特徴です。ただし、色素が深いほくろには適さない場合があります。
外科的切除
メスを使ってほくろを切除する方法で、特にメラノーマのリスクがある場合に選択されます。切除後は縫合が必要で、多少の傷跡が残ることがあります。
凍結療法
液体窒素を使ってほくろを凍結し、取り除く方法です。痛みが少ないですが、大きなほくろには適さないことがあります。
電気焼灼法
電気の熱でほくろを焼き切る方法です。比較的小さなほくろに適しており、傷跡が残りにくいのが利点です。
治療方法は、ほくろの大きさや位置、リスクに応じて選択されます。どの方法が適しているかは、医師と相談して決めるのが良いでしょう。
ほくろについてよくある質問
ほくろは、メラノサイトという色素細胞が集まることで発生します。遺伝や紫外線、ホルモンの影響が原因とされています。
治療方法によっては、多少の跡が残ることがありますが、レーザー治療や凍結療法では、比較的きれいに治療が可能です。
ほくろが急激に大きくなったり、色や形が変わったりした場合は、皮膚がんの可能性があるため、早急に医師の診察を受けてください。
はい、治療後は傷跡ができないよう、清潔を保つことや、紫外線を避けることが重要です。医師の指示に従ったケアを行いましょう。
ほくろがかゆみを伴う場合、炎症や他の問題があるかもしれません。かゆみが続く場合は医師に相談しましょう。