「ふとした瞬間に心臓のあたりがズキッとする」「胸が締め付けられるように痛い」「最近、階段を上がると胸が苦しい」——心臓の痛みは、多くの方にとって強い不安を呼び起こす症状です。ほとんどの場合は心配のいらない一時的なものですが、なかには命に関わる病気のサインが隠れていることもあります。
この記事では、宝塚市仁川にある仁川診療所の循環器内科の視点から、心臓が痛いと感じたときに考えられる原因と、危険な症状の見分け方、受診の目安についてわかりやすく解説します。
「心臓が痛い」とひとことで言っても痛み方はさまざま
医学的には、胸まわりの痛みをまとめて「胸痛(きょうつう)」と呼びます。患者さんが訴える痛み方は実に多彩で、例えば次のような表現があります。
- 締め付けられる、押さえつけられるような痛み
- 焼けるような、灼熱感のある痛み
- ズキッ、チクチク、ピリピリと刺すような痛み
- 引き裂かれるような激しい痛み
- 重いものをのせられたような圧迫感
「どんなふうに痛むか」は原因を絞り込む大切な手がかりになります。受診の際はぜひ具体的に医師にお伝えください。
心臓そのものが原因で起こる胸の痛み
1.狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)
最も注意すべき病気が、心臓を養う冠動脈が細くなる狭心症、詰まってしまう心筋梗塞です。
- 胸の中央〜左側が締め付けられる、圧迫されるような痛み
- 左肩・左腕・あご・背中・みぞおちにも痛みが広がることがある
- 階段や坂道など、体を動かしたときに出やすい
- 数分で治まれば狭心症、20分以上続く激しい痛みなら心筋梗塞を強く疑います
高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙・肥満・ストレスなどがリスクとなり、動脈硬化の進行で発症します。
2.大動脈解離
心臓から出る太い血管(大動脈)の壁が裂ける、極めて緊急性の高い病気です。**「突然、引き裂かれるような胸や背中の激痛」**が特徴で、痛む場所が時間とともに移動することもあります。
3.不整脈・心膜炎・弁膜症
脈が飛ぶ・速くなる不整脈、心臓を包む膜が炎症を起こす心膜炎、心臓の弁が傷む弁膜症などでも、胸の違和感や痛みが出ることがあります。
心臓以外が原因のこともあります
意外に多いのが、心臓ではない場所からくる「胸の痛み」です。
- 肺の病気:気胸、肺炎、胸膜炎、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
- 消化器の病気:逆流性食道炎、胃潰瘍、食道けいれん
- 筋肉・骨・神経の痛み:肋間神経痛、肋骨骨折、帯状疱疹
- 心因性のもの:強いストレス、パニック発作、心臓神経症
「深呼吸や体をひねると痛む」「押すと痛い」「皮膚に水ぶくれがある」といった場合は、心臓以外が原因のことが多いと考えられます。
こんな症状があればすぐに救急要請を
次のような症状が一つでも当てはまる場合、ためらわずに119番、または#7119(救急安心センター)に相談してください。
- 胸を強く締め付けられる・押しつぶされるような激しい痛み
- 痛みが15〜20分以上続いている
- 冷や汗、吐き気、息苦しさ、めまい、失神を伴う
- 胸から背中へ移動する裂けるような痛み
- 顔色が悪く、明らかにいつもと様子が違う
心筋梗塞や大動脈解離は、発症から治療までの時間が予後を大きく左右する病気です。「様子を見よう」が命取りになることもあります。
緊急性は低くても放置はNG。早めの受診を
激痛ではなくても、
- 階段や運動時に胸が重くなる、苦しくなる
- 短い胸の痛みが繰り返し起こる
- 動悸や息切れを伴う
- 健康診断で血圧・コレステロール・血糖値の異常を指摘された
このような場合は、狭心症の初期サインであることがあります。早期発見できれば、お薬による治療やカテーテル治療で重症化を防ぐことができます。
心臓のことで気になったら、まず循環器内科へ
胸の痛みの原因を正確に診断するには、心電図・心臓超音波(心エコー)・血液検査などを総合的に行う必要があります。一般の内科では心臓超音波検査ができない場合もあるため、心臓の症状でお困りの際は循環器内科の受診が安心です。
仁川診療所では、日本循環器学会認定の循環器専門医・心血管インターベンション認定医である院長が、心電図検査・心臓超音波検査などを用いて丁寧に診療いたします。「これくらいで受診していいのかな?」と迷うような小さな症状でも構いません。宝塚市仁川で胸の痛み・動悸・息切れにお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
お問い合わせ・ご予約はお電話またはWEBからどうぞ。

仁川診療所
院長 横山 亮
(よこやま りょう)