膀胱炎|宝塚市仁川の内科・循環器内科・皮膚科の仁川診療所

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膀胱炎とは|女性に多い、尿路の感染症

膀胱炎(ぼうこうえん)は、膀胱の粘膜に細菌が感染して炎症を起こす病気です。尿の出口(尿道)から細菌が膀胱へ入り込む「上行性感染」が原因で、女性に非常に多くみられます。これは、女性は男性に比べて尿道が短く、また尿道の出口が肛門に近いため、腸の細菌が膀胱に届きやすいという体の構造によるものです。

多くは基礎疾患のない健康な方に起こる「急性単純性膀胱炎」で、適切に治療すれば改善する病気です。ただし、後述のように発熱や血尿を伴う場合、男性に起きた場合、何度も繰り返す場合には、別の病気が隠れていないか確認が必要になります。

膀胱炎の原因|大腸菌が尿道から入る「上行性感染」

急性単純性膀胱炎の原因菌は、その6〜8割が大腸菌です。もともと腸にいる大腸菌が、何らかのきっかけで尿道から膀胱に入り込み、増殖して炎症を起こします。残りは腐性ブドウ球菌やクレブシエラ属など、やはり身近な細菌が原因となります。

膀胱炎になりやすい人・きっかけ

膀胱炎は、細菌が入りやすい状況や、体の抵抗力が落ちたときに起こりやすくなります。次のような心当たりがある方は注意してください。

なりやすい要因補足
女性尿道が短く構造的になりやすい
トイレを我慢しがち尿で細菌を洗い流せず増えやすい
水分摂取が少ない尿量が減り細菌が停滞しやすい
性交渉細菌が尿道へ入りやすくなる
便秘腸内の細菌が増えやすい
閉経後女性ホルモン低下で粘膜の防御力が下がる
糖尿病・疲労・妊娠抵抗力の低下や尿の停滞が関与

膀胱炎の症状|初期症状・3大症状から血尿まで

膀胱炎の初期症状とセルフチェック

膀胱炎の初期症状は、「なんとなくトイレが近い」「排尿の終わりにツンとした違和感がある」といった、見過ごしやすい変化から始まることが多いです。次のような項目に複数当てはまる場合は、膀胱炎の可能性があります。

膀胱炎セルフチェック

  • トイレが近くなった(頻尿)、行ってもすぐ尿意がある
  • 排尿の終わりごろにしみるような痛みがある
  • 残尿感(出し切れていない感じ)がある
  • 尿が濁っている、いつもと違うにおいがする
  • 下腹部に不快感や鈍い痛みがある
  • 尿に血が混じる

膀胱炎の3大症状

膀胱炎の代表的な症状は、頻尿・排尿時痛・尿の濁り(尿混濁)の3つです。とくに排尿時の痛みは、排尿の終わりごろに強くなるのが特徴です。これらに残尿感や下腹部の違和感が加わることもよくあります。症状の強さには個人差があり、軽い違和感程度のこともあれば、トイレのたびにつらい痛みを感じることもあります。

膀胱炎で血尿(尿に血が混じる)が出ることはある?

膀胱炎では、炎症で膀胱の粘膜が傷つき、尿に血が混じる(血尿)ことがあります。目に見えて赤い「肉眼的血尿」が出る場合は出血性膀胱炎と呼ばれ、驚かれる方も多いですが、膀胱炎の症状として起こりうるものです。

ただし注意点があります。頻尿や排尿時痛といった膀胱炎らしい症状があまりないのに血尿だけが続く場合は、膀胱炎以外の病気(結石や膀胱の腫瘍など)が隠れている可能性も考えなければなりません。血尿がみられたときは自己判断せず、尿検査などで原因を確かめることが大切です。

発熱があるときは要注意|腎盂腎炎のサイン

膀胱炎は、基本的に発熱を伴いません。もし38度前後の熱や、腰・背中の痛み、悪寒、吐き気を伴う場合は、細菌が膀胱から腎臓へ広がった腎盂腎炎(じんうじんえん)を起こしている可能性があります。腎盂腎炎は膀胱炎よりも重い状態で、早めの治療が必要です。発熱を伴う場合は、できるだけ早く受診してください。

膀胱炎は何科を受診すればいい?|検査と診断

何科を受診すればいいか

膀胱炎は、内科または泌尿器科で診療します。発熱がなく、頻尿・排尿時痛といった典型的な症状であれば、まずはかかりつけの内科で相談していただいて問題ありません。仁川診療所でも、尿の異常に関するご相談を内科で承っています。

なお、男性が膀胱炎を起こした場合は、前立腺などの病気が背景にあることがあり、より詳しい検査が必要になります。また、血尿が続く・症状を繰り返す・なかなか治らないといった場合も、専門的な検査が望ましいため、必要に応じて適切な医療機関へご紹介します。

尿検査でわかる

診断の中心は尿検査です。尿の中に白血球(炎症のサイン)や細菌、血液が混じっていないかを調べることで、膀胱炎かどうかを判断します。最近は抗菌薬が効きにくい細菌(耐性菌)も増えているため、必要に応じて、どの細菌が原因でどの薬が効くかを調べる尿培養検査を行うこともあります。

膀胱炎の治し方|「一晩で治す」って本当?

基本は抗菌薬による治療

細菌が原因の膀胱炎は、抗菌薬(抗生物質)で原因菌を抑えるのが基本の治療です。多くの場合、薬を飲み始めて数日のうちに症状はやわらいでいきます。ここで大切なのは、症状が軽くなっても、処方された日数分はきちんと飲みきることです。途中でやめると細菌が残って再発したり、薬が効きにくい耐性菌を生む原因になったりします。

膀胱炎は一晩で治る?市販薬や自力で治す方法について

「膀胱炎を一晩で治したい」と考える方は多いですが、細菌性の膀胱炎を一晩・自力で確実に完治させることは難しいのが実際です。水分を多めにとって安静にすることで症状が軽くなることはありますが、原因菌が残っていれば再びぶり返したり、放置するうちに腎盂腎炎へ進んでしまうこともあります。

市販薬にも膀胱炎向けの製品はありますが、症状を一時的にやわらげるもので、原因菌を狙って退治する抗菌薬とは役割が異なります。「一晩様子を見て治らなければ受診」と先延ばしにするより、早めに受診して適切な抗菌薬で治療したほうが、結果的に早く・確実に治ります。

自分でできるセルフケア(治療の補助)

セルフケアは、あくまで治療を助けるためのものです。次のような工夫が回復を後押しします。

セルフケアねらい
水分をしっかりとる尿量を増やし、細菌を洗い流す
排尿を我慢しない膀胱に細菌をとどめない
体を冷やさず休養する抵抗力を保つ
陰部を清潔に保つ細菌の侵入を防ぐ

繰り返す膀胱炎(反復性膀胱炎)|原因と予防法

「治ったと思ったらまた膀胱炎になる」と、繰り返しに悩む方は少なくありません。短期間に何度も膀胱炎を起こす状態は反復性膀胱炎と呼ばれます。

なぜ膀胱炎を繰り返すのか

繰り返す背景には、トイレを我慢しがち・水分不足・便秘といった生活習慣の影響に加え、閉経後の女性では女性ホルモンの低下で膣や尿道の粘膜の防御力が下がることが関わっています。また、糖尿病などで抵抗力が下がっている場合も繰り返しやすくなります。何度も繰り返す場合は、背景に別の原因がないかを確認することも大切です。

膀胱炎を繰り返さないための予防

日常の習慣を少し見直すことで、再発のリスクを下げられます。下の表のポイントを意識してみてください。

予防のポイント具体的に
水分を意識してとるこまめに水分補給し、尿でしっかり流す
トイレを我慢しない尿意を感じたら早めに排尿する
排尿・排便後は前から後ろへ拭く腸の細菌を尿道へ持ち込まない
便秘を予防する食物繊維や規則的な排便習慣を意識する
体を冷やさず、疲れをためない抵抗力を保つ

こんなときは早めに受診を|仁川診療所

膀胱炎は、早めに対処すれば長引かせずにすむ身近な病気です。次のようなサインがあるときは、我慢したり様子を見すぎたりせず、受診をおすすめします。

早めの受診をおすすめするサイン

  • 38度前後の発熱、腰や背中の痛みがある(腎盂腎炎の疑い)
  • 尿に血が混じる
  • 数日たっても症状がよくならない
  • 何度も膀胱炎を繰り返す
  • 男性である、妊娠中である

仁川診療所では、尿の異常やつらい排尿症状について内科でご相談を承り、尿検査で原因を確かめたうえで治療を行います。専門的な検査や治療が必要な場合は、近隣の医療機関と連携して対応します。「トイレが近い」「排尿のときにしみる」といった段階で、どうぞお気軽にご相談ください。