糖尿病とは
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が慢性的に高くなる疾患です。血糖値が高い状態が続くと、全身の血管や神経がダメージを受け、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高まります。日本においては、成人の約1割が糖尿病または糖尿病予備軍とされており、増加傾向にあります。
糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の特定の原因による糖尿病がありますが、最も多いのは2型糖尿病です。糖尿病は、適切な治療と生活習慣の改善により、合併症の発症を予防することが可能です。
血糖とインスリンについて
血糖とは、血液中に含まれるブドウ糖のことを指し、体のエネルギー源として重要な役割を果たしています。血糖値は、インスリンというホルモンによって調節されています。
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌され、血糖を細胞に取り込ませる働きを持ちます。このインスリンの分泌や働きが不十分になると、血糖値が高い状態が続き、糖尿病が発症します。特に2型糖尿病では、インスリンの分泌不足やインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)が主要な原因となります。
1型糖尿病と2型糖尿病の違い
1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が自己免疫反応によって破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなることが原因です。主に小児や若年者で発症する病気です。
2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリンの分泌が不足するか、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性が原因で発症します。主に中高年に発症しますが、近年では若年層の発症も増えています。肥満や運動不足、食生活の乱れなど生活習慣が大きく影響します。治療には、生活習慣の改善や経口血糖降下薬が用いられます。
糖尿病の症状
糖尿病の初期段階では、ほとんど自覚症状がないことが多いです。しかし、血糖値が高い状態が続くと、
口渇
喉が異常に渇き、水分を多く摂るようになります。
頻尿
血糖値が高いと、体が余分な糖を尿と一緒に排出しようとするため、尿の回数が増えます。
体重減少
十分な食事を摂っているにもかかわらず、体重が減少することがあります。
倦怠感
エネルギーが十分に供給されず、疲れやすくなります。
視力低下
高血糖が続くと、目の網膜に影響を与え、視力が低下することがあります。
などの症状が現れます。
これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関での検査が必要です。
糖尿病の合併症
糖尿病を適切に管理しないと、さまざまな合併症が発生するリスクがあります。
糖尿病網膜症
血糖値が高い状態が続くと、目の網膜の血管が障害され、視力低下や失明の原因となります。
糖尿病腎症
糖尿病は腎臓の機能を低下させ、最終的には腎不全に至ることがあります。これにより、人工透析が必要になることがあります。
糖尿病神経障害
高血糖が神経を損傷し、手足のしびれや痛み、感覚の鈍麻などが生じます。また、自律神経が影響を受けると、消化器症状や排尿障害も発生します。
動脈硬化
糖尿病は動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
糖尿病の治療方法
糖尿病の治療は、主に生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。
食事療法
栄養バランスを考慮した食事が重要です。特に、糖質の量を管理し、血糖値の急激な上昇を防ぐことが目的です。また、カロリー制限によって適正体重を維持します。
運動療法
適度な運動は、血糖値を下げる効果があり、インスリンの感受性を改善します。ウォーキングや水泳、ジョギングなど、有酸素運動が推奨されます。
薬物療法
生活習慣の改善だけで血糖値がコントロールできない場合、経口血糖降下薬やインスリン注射が処方されます。2型糖尿病では、患者の病状に応じて複数の薬を組み合わせることが一般的です。
血糖自己測定
特に1型糖尿病やインスリン治療を行っている場合、日常的に血糖値を自己測定することが推奨されます。これにより、血糖値を適切に管理し、合併症の予防に努めます。
糖尿病の予防方法・気を付けること
糖尿病を予防するためには、生活習慣の見直しが不可欠です。
バランスの取れた食事
食事の内容と量を見直し、糖質や脂質を控えめにし、野菜や果物、魚を多く取り入れることが推奨されます。特に、血糖値を上げにくい低GI食品(肉・魚などのタンパク質、乳製品、デンプン質以外の野菜)を選ぶと良いでしょう。
適度な運動
定期的な運動は、糖尿病の予防に非常に効果的です。ウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動を週に3〜5回行うことが理想です。
禁煙と節酒
喫煙はインスリン抵抗性を悪化させ、動脈硬化を促進します。禁煙し、アルコールは適量にとどめることが重要です。
体重管理
肥満は2型糖尿病の大きなリスク要因です。適正体重を維持するために、食事と運動のバランスを保つことが必要です。
定期的な健康チェック
糖尿病は自覚症状が少ないため、定期的な健康診断で血糖値を確認し、早期発見と対応を心がけましょう。
糖尿病のよくある質問
糖尿病は完治することはありませんが、適切な治療と生活習慣の改善により、血糖値をコントロールし、合併症のリスクを減らすことが可能です。
糖質をコントロールし、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。また、食事の回数や時間も規則的にし、血糖値の急激な変動を避けることが推奨されます。
糖尿病には遺伝的要因が関与することがあり、特に2型糖尿病では家族歴がリスクとなります。しかし、生活習慣の改善でリスクを低減することが可能です。
有酸素運動が効果的です。ウォーキングや水泳、自転車など、無理なく続けられる運動を取り入れると良いでしょう。
糖尿病の検査には、空腹時血糖値やHbA1c(過去1〜2か月の平均血糖値)が用いられます。これらの検査で高血糖が確認された場合、糖尿病と診断されます。