健康診断で再検査と言われた方へ
毎年受けている健康診断で「再検査が必要です」と言われると、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。「何か病気が見つかったのでは?」「すぐに治療しないといけないのか?」と心配になるのは当然のことです。まずは冷静に、健康診断の意義と再検査の重要性について知っておきましょう。
健康診断は、自覚症状のない病気や体の変化を早期に発見するための大切な機会です。再検査を勧められるということは、「何らかの数値に変動があった」「もう一度詳しく調べる必要がある」ことを意味します。たとえば、前日の食事や睡眠不足、運動不足、ストレスなどによって、一時的に検査値が上昇することも珍しくありません。そのため、まずは「異常があるかもしれない」という初期段階で、再検査によって正確な判断をすることが求められるのです。
特に現代では、生活習慣病と呼ばれる高血圧、糖尿病、脂質異常症、肝機能異常などが増加しています。これらの疾患は自覚症状が乏しいまま進行することが多く、気づいたときには重症化していることもあります。そのため、再検査の機会は決して「面倒なこと」ではなく、「健康を守るチャンス」と捉えることが大切です。
健康診断の結果の種類(結果の見方)
健康診断の結果表には、さまざまな数値や判定が記載されています。中にはアルファベットで表示されているもの、色分けされているもの、コメント付きで記載されているものなどがあります。これらは、受診者の健康状態を視覚的に分かりやすく伝えるための工夫ですが、見慣れない方にとっては「これは大丈夫なの?」「何を意味しているの?」と戸惑うことも多いでしょう。
一般的な判定区分には、以下のようなパターンがあります。
※ただし、健康診断の実施機関によって表記方法に違いがあります。
A判定 (異常なし) | 全ての検査項目が基準値内。 健康状態に問題はないと考えられます。 |
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B判定 (軽度異常) | 一部の項目にわずかな変動があるものの、経過観察で問題ないと判断されるケース。 生活習慣の見直しを勧められることがあります。 |
C判定 (要再検査) | 基準値を逸脱している項目があり、正確な評価のために再検査が必要です。 放置せず、必ず医療機関での再検査を受けましょう。 |
D判定 (要精密検査) | 明らかに異常な数値が出ている、または重大な疾患の疑いがある場合です。 速やかに専門的な検査や診察が求められます。 |
E判定 (要治療) | すでに治療が必要と判断される数値です。 すぐに医師の診察を受け、治療方針を決定する必要があります。 |
健康診断の判定は、あくまで「スクリーニング(ふるい分け)」の結果であり、確定診断ではありません。たとえばC判定であっても、再検査の結果、問題がないこともあります。その一方で、DやE判定を放置すると、症状のないまま病気が進行してしまうリスクもあります。
特に注意したいのは、検査項目の変動です。
- コレステロールや中性脂肪の上昇→動脈硬化のリスク
- 血圧の上昇→高血圧・脳卒中のリスク
- 血糖値やHbA1cの上昇→糖尿病の可能性
- 肝機能(AST・ALT・γ-GTP)の異常→肝炎や脂肪肝の疑い
- 腎機能(クレアチニン・eGFR)の異常→慢性腎臓病の可能性
- 尿酸値の高値→痛風・腎障害の原因
- 血液検査での貧血や白血球異常→貧血、感染症、血液疾患の可能性
これらの数値は、年齢、性別、体格、体質によっても変動があります。そのため、単なる基準値との比較だけでなく、「その人にとっての正常かどうか」を医師が判断することが大切です。
健康診断で「脂質の異常」で再検査と言われたら…
「LDLコレステロールが高いですね」「中性脂肪が基準を超えています」
こうした結果を受け取った方の中には、「体調も良いし、放っておいても大丈夫では?」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、脂質異常症は、自覚症状がほとんどないまま進行する病気です。そして、放置すればするほど、心筋梗塞・脳梗塞といった命に関わる重大な疾患へとつながる可能性が高まります。
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)の値が基準から外れた状態のことを指します。健康診断で異常を指摘された際には、まず空腹時の再検査によって、体の状態をより正確に把握することが第一歩となります。
また、脂質の異常には食事、運動不足、遺伝的体質、加齢など多くの要因が関与しています。40代以降で急に数値が悪化するケースも多く、生活習慣に加えてホルモンバランスの変化も関係していると言われています。
再検査を受けずに放置してしまえば、次に異常が発覚したときには、すでに血管のダメージが進行していた…ということも少なくありません。
「まだ症状がないから大丈夫」ではなく、「今は症状がないからこそ改善のチャンス」と考えることが大切です。
脂質の主な指標と基準値
- 総コレステロール140~199㎎/dl
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)60~119㎎/dl
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)40㎎/dl以上
- 中性脂肪(トリグラセライド、TG)30~149mg/dl
これらの数値は、前日の食事、アルコール摂取、睡眠時間、運動量によって一時的に上下する場合もあるため、空腹時(10時間以上食事をしていない状態)での検査が推奨されます。
脂質異常症が引き起こす病気と合併症
脂質異常症は、血液中の脂質が血管の壁にたまり、動脈硬化を引き起こす原因になります。動脈硬化が進行すると、以下のような深刻な病気を招くリスクが高くなります。
心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓を養う冠動脈が動脈硬化によって狭くなり、血液が流れなくなることで、心筋が壊死する病気です。脂質異常が続くと血管の内壁にプラーク(脂質のかたまり)が形成され、それが破れることで血栓ができ、突然血管が詰まって発症します。発症すると激しい胸痛や呼吸困難を起こし、適切な治療が遅れると命に関わることもあります。
狭心症
狭心症は、心筋に一時的に血液が不足し、胸の圧迫感や痛みを感じる病気です。動脈硬化によって冠動脈が狭くなり、血流が滞ることで症状が起きます。階段の昇降や急な運動で症状が現れることが多く、進行すると心筋梗塞に移行するリスクがあります。
閉塞性動脈硬化症(PAD)
足の血管が動脈硬化で狭窄・閉塞することで、歩行時の足の痛みやしびれを引き起こす病気です。初期は歩いているときだけ痛みますが、進行すると安静時でも痛みが続き、重症化すると潰瘍や壊疽の原因となることもあります。脂質異常症がある人は、全身の血管障害を起こしやすくなるため、早期の診断が重要です。
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳細胞が酸素不足になることで機能を失う病気です。脂質異常によって頸動脈や脳の細い血管が詰まりやすくなり、言語障害、手足の麻痺、意識障害などの重い後遺症を残す可能性があります。特に高血圧や糖尿病を合併している方では、発症リスクが飛躍的に高まります。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
脂質異常症は、体のどこかが痛んだり、疲れやすくなったりといった明確な症状が出ないことが多く、「気づいたときには動脈硬化がかなり進行していた」という方も少なくありません。
ご自宅で気をつけていただきたいこと
- 食事の見直し(揚げ物、菓子パン、外食の頻度を控える)
- 適度な有酸素運動(ウォーキングや自転車など)を週3〜4回以上
- 飲酒習慣の改善(過剰なアルコール摂取は中性脂肪の増加要因)
- 睡眠とストレスの管理(ホルモンバランスの乱れが脂質異常を悪化させる場合も)
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- LDLコレステロールが160mg/dL以上
- 中性脂肪が200mg/dL以上
- HDLコレステロールが35mg/dL未満
- 複数項目で基準を超えている方
- 家族に脂質異常・心疾患・脳梗塞の既往歴がある方
脂質異常症は、正しい知識と早めの対応によって、コントロールできる病気です。薬を使わずに改善できるケースも多く、生活習慣の指導や定期的なモニタリングを通じて、将来の大きな病気を防ぐことができます。
「まだ大丈夫」と思わずに、少しでも数値に不安がある方は、どうぞ仁川診療所へお気軽にご相談ください。
地域のかかりつけ医として、皆さまの健康を末永く守っていくためのサポートをいたします。
健康診断で「血圧が高い(または低い)」で再検査と言われたら…
健康診断で「血圧が高めですね」「再検査が必要です」と言われたことはありませんか?
血圧の異常は自覚症状が少なく、検査結果を見ても「疲れていたせいかな」「一時的なものだろう」と軽視されがちです。しかし、放っておくと将来、大きな病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
高血圧は症状のないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こす原因になります。一方で、低血圧も軽視してはいけません。特に若い女性や高齢者でめまいやふらつき、意識が遠のくような症状が出ている場合には、生活に支障をきたすこともあります。
血圧は日内変動があり、診察室で測定した値が高くても、家庭での測定では正常なこともあります。その逆に、家庭では高いのに健康診断では正常という「仮面高血圧」も存在します。だからこそ、一度の測定結果だけで判断せず、再検査による確認がとても重要なのです。
血圧の主な指標と基準値
- 収縮期(最大)125㎜Hg以下
- 拡張期(最小)75mmHg以下
高血圧が引き起こす病気と合併症
脳卒中(脳出血・脳梗塞)
高血圧の最も恐ろしい合併症のひとつが脳卒中です。高い血圧が長く続くと、脳の細い血管がダメージを受けて破れやすくなります。これが「脳出血」です。また、血管の内壁にコレステロールがたまり、詰まることで「脳梗塞」が起きます。いずれも、片麻痺、言語障害、認知機能の低下などの重い後遺症を残すことがあり、命を落とすこともあります。高血圧は、日本人の脳卒中の最大の危険因子といわれています。
心筋梗塞・狭心症
高血圧は、心臓の血管(冠動脈)にも負担をかけ、血管を傷つけて動脈硬化を進行させます。その結果、血管が狭くなって心筋に酸素が行き渡らず、胸の痛みや圧迫感を起こす「狭心症」、あるいは血管が詰まって心筋が壊死する「心筋梗塞」を引き起こします。心筋梗塞は発症から数時間で命を落とすこともあり、早期の血圧管理が重要です。
慢性腎臓病(CKD)
高血圧は腎臓にも悪影響を及ぼします。腎臓は血圧を調整する臓器ですが、逆に高血圧が続くことで腎臓の細かい血管が障害され、ろ過機能が低下します。これが慢性腎臓病です。進行すると、老廃物が体にたまり、最終的には透析が必要になることもあります。高血圧のコントロールは腎機能を守るためにも欠かせません。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
血圧の異常は、現在症状がないからといって油断してよいものではありません。高血圧は静かに進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こすことがあります。一方で低血圧も、ふらつきや立ちくらみ、失神を招き、特に高齢の方では転倒による骨折のリスクを高めてしまいます。
仁川診療所では、そうした“見えない血圧のリスク”に対して、日常生活の見直しから医療的サポートまで、患者さま一人ひとりの体質や生活背景に合わせて丁寧に対応しています。
ご自宅で日常的に気をつけていただきたいこととしては、まず血圧の変化に気づくための「記録」がとても大切です。朝と夜、安静時に家庭用血圧計で測定を行い、できれば記録ノートやスマートフォンのアプリなどに数値を残しておきましょう。これにより、診察時に日常の血圧傾向を把握しやすくなります。
また、食生活では塩分の摂り過ぎに注意が必要です。日本人は平均して1日10g以上の塩分を摂取していると言われていますが、理想的には6g未満に抑えることが望ましいとされています。しょうゆや味噌などの調味料を使いすぎないよう意識し、加工食品や外食の頻度も見直してみてください。
さらに、血圧管理には運動と睡眠、そしてストレス対策も欠かせません。ウォーキングや軽い体操といった有酸素運動を、週に3~4日程度でも習慣化できると、血管の健康が保たれやすくなります。睡眠不足や過剰なストレスは交感神経を刺激し、血圧を上昇させる要因になりますので、心身の休息にも目を向けることが大切です。
アルコールの摂取量や喫煙習慣も、血圧に大きく影響します。特にお酒を日常的に飲まれている方は、飲む量や頻度を見直すことが血圧の改善に直結することもあります。
このように、血圧は「薬だけで下げるもの」ではなく、日々の暮らしの積み重ねが非常に大きな影響を及ぼす健康指標です。生活をほんの少し見直すことが、将来の重大な疾患を未然に防ぐことにつながります。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 健康診断で上の血圧が140mmHg以上または下が90mmHg以上を指摘された
- 家庭で測ると常に135/85mmHgを超える
- 高血圧と診断されたが治療をしていない
- 家族に高血圧や脳卒中、心臓病の既往がある
どれか一つでも該当する方は、ぜひ仁川診療所にご相談ください。
再検査を通じてご自身の血圧傾向を正確に把握し、今できる予防と対策を一緒に始めていきましょう。
健康診断で「血糖値が高め」「HbA1cが高い」と言われたら…
健康診断の結果を見て、「空腹時血糖が高い」「HbA1cが基準を超えています」と書かれていたら、どんな方でも一瞬はドキッとするはずです。とはいえ、すぐに糖尿病と診断されるわけではありません。ただし、放置すれば確実に体に負担がかかり、数年後には深刻な病気を引き起こす可能性があります。
血糖値は、食事や睡眠、ストレスなどの影響を受けやすい指標です。そのため、一度の検査で基準値を超えていたとしても、すぐに治療というわけではなく、まずは再検査で正確に測定し、体の状態を詳しく調べることが大切です。
高血糖の状態が続くと、やがて「糖尿病」と診断される可能性があります。糖尿病は、治療せずに放置すると全身の血管にダメージを与え、失明、腎不全、心筋梗塞、脳梗塞などの合併症へとつながる恐ろしい病気です。特に初期には自覚症状がほとんどないため、「知らないうちに進行していた」というケースが後を絶ちません。
糖代謝の主な指標と基準値
- 空腹時血糖(BS、BG、Glu):99㎎/dl以下
- HbA1c:5.5%以下
HbA1cは、過去1〜2ヶ月間の血糖の平均的な状態を示す指標です。血糖値はその日の体調や食事内容で変動しやすいですが、HbA1cは比較的安定しており、糖尿病のスクリーニングや治療の経過観察において非常に重要です。
糖代謝異常が引き起こす病気と合併症
糖尿病性網膜症(視力障害)
糖尿病が進行すると、目の奥にある網膜の細い血管が傷つき、出血や浮腫(むくみ)が起こります。初期にはほとんど症状がないものの、進行すると視力が低下し、最悪の場合は失明に至ることもあります。糖尿病による失明は、働き盛りの世代での失明原因の上位にあります。
糖尿病性腎症(腎機能低下)
腎臓の糸球体という部分が高血糖により損傷を受け、尿にタンパクが出始めます。初期には自覚症状がないため気づかれにくいですが、進行すると老廃物を体外に排出できなくなり、やがて人工透析が必要になります。日本では糖尿病性腎症が透析導入の原因として最も多い病気です。
糖尿病性神経障害(しびれ・感覚異常)
高血糖状態が続くことで、神経の働きが障害され、手足のしびれや痛み、感覚の鈍さなどが現れます。自律神経も影響を受けると、立ちくらみ、便秘、下痢、発汗異常、ED(勃起障害)など、日常生活に大きな支障をきたします。進行すると足の傷に気づかず壊疽(えそ)を起こすこともあります。
心筋梗塞・脳梗塞などの大血管障害
糖尿病は血管そのものを傷つける病気でもあります。特に心臓や脳といった重要な臓器を栄養する太い血管(大血管)に障害を引き起こすと、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気の原因になります。糖尿病患者は、これらの疾患を起こすリスクが健常人の数倍に達すると言われています。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
糖尿病は「生活習慣病」の代表格ですが、それだけに早い段階で対処すれば、発症や進行を抑えることができる病気でもあります。健康診断で血糖やHbA1cの異常を指摘されたときは、それは「もう手遅れ」というサインではなく、「まだ間に合う」タイミングを教えてくれている合図です。
日常生活では、まず食生活を見直すことが大切です。特に、甘いものやジュース、白米やパンなど糖質の多い食事が続いている方は注意が必要です。食べる順番を工夫する(野菜→たんぱく質→炭水化物の順に食べる)だけでも血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
また、運動を取り入れることも非常に有効です。ウォーキングなどの軽い有酸素運動を1日20〜30分、週に3〜5回行うだけで、筋肉が糖を消費しやすくなり、血糖コントロールに良い影響を与えます。運動は血圧やコレステロールにも良い影響を与えるため、一石二鳥以上の価値があります。
さらに、睡眠不足や過度なストレスも血糖値を不安定にする要因となります。現代社会では避けがたい面もありますが、心と体のバランスを保つことも糖尿病予防には欠かせません。
こうした生活の見直しだけでは数値の改善が難しい場合には、必要に応じて薬物療法を開始することもあります。仁川診療所では、血糖値の動きを細かく見ながら、最も負担の少ない治療法を患者さまと一緒に考えていきます。無理なく、そして長く続けられる方法を見つけることが、糖尿病の予防・治療の鍵です。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 空腹時血糖が110mg/dLを超えている
- HbA1cが6.5%以上になっている
- 食後の強い眠気やだるさを感じる
- のどが渇きやすい、尿の回数が増えたと感じる
- 糖尿病の家族歴がある
いずれかに心当たりがある方は、ぜひ仁川診療所までご相談ください。
地域に根ざした内科クリニックとして、あなたの健康を長期的にサポートしてまいります。
健康診断で「肝機能の数値が高い」と言われたら…
健康診断で「AST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTPが高いですね」と指摘されると、不安に思われる方も多いかもしれません。肝臓に異常があるのではと心配になるのは当然です。
しかし、まず大切なのは、慌てずに再検査を受け、正確な情報を得ることです。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、異常があってもほとんど自覚症状がありません。そのため、健康診断での数値の異常は、体からの貴重なサインなのです。
肝機能の数値が高くなる原因はさまざまで、一時的な疲労や飲酒の影響という場合もあります。一方で、脂肪肝、アルコール性肝障害、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害、自己免疫性肝疾患など、放置すると重症化する病気が隠れている可能性もあります。
健康診断で肝機能異常を指摘された際には、放置せず再検査を受けて、必要に応じた対応をとることが大切です。特に、2年連続で異常値が出た場合や、他の項目(血糖・脂質など)にも異常がある方は、生活習慣の見直しやさらなる検査が必要です。
肝機能の主な指標と基準値
- AST(GOT):30U/L以下
- ALT(GPT):30U/L以下
- γ-GTP:50U/L以下
肝機能異常が引き起こす病気と合併症
脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積する状態で、過食、肥満、運動不足、糖尿病、脂質異常症などが関係しています。脂肪肝そのものは症状がほとんどなく、検診で初めて気づくことが多いです。しかし、放置すると炎症を伴う「NASH」へと進行し、やがて肝硬変、肝がんに至るリスクがあります。アルコールをほとんど飲まない方にも起こるため、注意が必要です。
アルコール性肝障害
長期間の飲酒により、肝臓に炎症が生じる病気です。初期は脂肪肝、進行するとアルコール性肝炎、さらに肝硬変へと進展することがあります。特にγ-GTPが高い場合には、飲酒量や頻度の見直しが必要です。「毎日少量の飲酒」であっても、肝臓にとっては長期間にわたる慢性的な負担になります。
ウイルス性肝炎(B型・C型)
血液や体液を介して感染するB型肝炎や、以前は輸血などが原因だったC型肝炎は、慢性的に進行して肝硬変や肝がんを引き起こす可能性があります。健康診断で肝機能異常が出た場合、これらのウイルスの有無を確認する血液検査が必要です。早期に見つけて治療することで、重症化を防ぐことができます。
肝硬変・肝がん
慢性的な肝臓へのダメージが続くと、肝細胞が線維化し、肝硬変となります。肝硬変になると、血液の流れが悪くなり、腹水や黄疸、食道静脈瘤などの重篤な症状が現れます。さらに肝細胞の変異が起こることで肝がんの発症リスクが高まります。肝がんは日本人のがんによる死亡原因の上位であり、予防には早期の検査・対応が不可欠です。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
肝臓は非常に我慢強い臓器であり、かなりの負担を受けても沈黙を守り続けます。だからこそ、健康診断で異常が出たときは「肝臓からの小さなSOS」だと考えてください。
私たち仁川診療所では、再検査を通じて肝機能の異常が一時的なものなのか、それとも治療が必要な状態なのかを丁寧に見極めます。血液検査に加え、腹部エコー検査やウイルスマーカーの測定を行うことで、原因をより詳しく評価できます。
ご自宅での生活では、まずお酒の量を見直すことが重要です。週に何日飲んでいるか、1回の飲酒量はどれくらいか、改めて意識してみてください。少量でも毎日のように飲んでいる場合は、γ-GTPが高く出ることがあります。また、薬を常用している方も、肝臓に負担をかけることがあるため、医師にご相談ください。
食事については、脂肪分の多いものや糖質のとりすぎを避け、バランスの取れた和食中心の食生活を心がけることが、脂肪肝の予防・改善につながります。特に炭水化物や甘いものを控えることで、肝臓への脂肪の蓄積を抑えられます。
運動習慣も大切です。1日30分のウォーキングを週に4日ほど続けるだけでも、肝脂肪の改善に効果があります。痩せすぎも肝臓に悪影響を与えるため、無理のない範囲での減量をおすすめしています。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- ALT(GPT)が50U/L以上
- γ-GTPが70U/L以上(女性)または100U/L以上(男性)
- ASTがALTよりも高い(アルコール性の疑い)
- 2年以上続けて肝機能異常を指摘されている
- 家族に肝疾患の既往歴がある
肝機能の数値は生活習慣によって改善する可能性が十分にありますが、油断は禁物です。気になる方はぜひ一度、仁川診療所へご相談ください。
「肝臓を守る」ことは「全身の健康を守る」ことにつながります。地域のかかりつけ医として、皆さまの健康管理を全力でサポートいたします。
健康診断で「血球・血液の異常」で再検査と言われたら…
健康診断の結果で「貧血気味です」「血球の数値が基準から外れています」と指摘されたとき、体に何か重大な病気があるのではないかと心配になる方も多いと思います。しかし、多くの場合は深刻な状態ではなく、まずは原因を正しく見極めることが大切です。
血液検査で異常を指摘された場合、それは「赤血球」「白血球」「血小板」といった、血液中の重要な細胞の数や機能に問題がある可能性を示しています。中でも「ヘモグロビンが低い」と言われた場合、それは「貧血」の兆候であることが多く、女性に非常に多く見られる結果です。
ただし、血液の異常には軽度の栄養不足によるものから、まれに白血病などの血液のがんが関わるケースまで多岐にわたります。そのため、安易に自己判断せず、再検査を通して専門的に評価することが必要です。
貧血の主な指標と基準値
ヘモグロビン(Hb):男性13.1~16.3g/dl 女性12.1~14.5g/dl
血球の主な指標と基準値
白血球数:3100~8900/μL
血小板:14.5~32.9万/μL
赤血球数:男性4.35~5.55×106/μL 女性3.86~4.92×106/μL
血液の異常が引き起こす病気と合併症
鉄欠乏性貧血
もっとも一般的な貧血で、体内の鉄分が不足することでヘモグロビンが作れず、酸素運搬能力が低下します。女性では月経による鉄の喪失、食生活での鉄分不足、妊娠・出産後などが原因となることが多いです。軽度の疲労感やめまい、動悸、集中力低下などを引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。
慢性疾患に伴う貧血(二次性貧血)
がん、腎不全、膠原病などの慢性疾患があると、赤血球が十分に作られず、貧血になることがあります。このタイプは症状がゆっくりと進行し、原因となる病気の治療が必要となることが多いため、血液だけでなく全身の評価が重要です。
血小板減少症
血小板が減ると、出血しやすくなったり、内出血が起きやすくなったりします。原因はウイルス感染、自己免疫疾患、薬剤、肝疾患などさまざまです。症状がなくても検査値で異常が確認された場合は、原因精査が必要になります。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
血液の異常は、体の中で何かが起こっているサインです。
特に貧血の場合、「立ちくらみがしても放っていた」「疲れやすさは年齢のせいだと思っていた」という声を多く聞きますが、それは体が発している大切なSOSかもしれません。
仁川診療所では、健康診断で血液の異常を指摘された方に対し、追加の血液検査をはじめとした再検査を実施しています。
ご自宅での生活では、まずバランスのとれた食事を意識することが何より重要です。特に貧血傾向の方は、レバーや赤身肉、小松菜、ひじき、大豆製品など、鉄分を多く含む食品を意識的に摂るようにしましょう。ビタミンCを一緒に摂ることで、鉄の吸収が良くなります。
また、睡眠や休養も大切です。疲れを感じているときは無理せず、身体を休めることが貧血や免疫力の低下を防ぐために有効です。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 健康診断でヘモグロビンが10.0g/dL未満
- 白血球数が3000未満、または10000以上
- 血小板数が13万未満、または40万を超えている
- 「以前は正常だったのに、急に異常が出た」
- 倦怠感や息切れ、めまい、動悸などの症状がある
これらに当てはまる方は、体に何か変化が起きているサインかもしれません。気になることがあれば、どうぞ仁川診療所までお気軽にご相談ください。
地域の皆さまの健康を守る“かかりつけ医”として、丁寧にサポートさせていただきます。
健康診断で「腎機能の異常」で再検査と言われたら…
健康診断で「クレアチニンが高めです」「eGFRが基準より低いです」と指摘されたとき、「自分の腎臓に何か問題があるのでは」と不安になる方も多いと思います。しかし、これらの結果は、腎臓の働きに“少し変化”があるかもしれないという注意信号であり、早期に対応することで進行を防げる可能性が十分にあります。
腎臓は、体の老廃物を尿として排出したり、血圧を調整したり、骨を健康に保つために必要なホルモンを作ったりと、非常に多くの重要な働きを担っている臓器です。腎機能が少しずつ落ちていくと、自覚症状がないまま体に老廃物が蓄積し、やがて体調不良や重い合併症を引き起こすことになります。
特に注意すべきなのが「慢性腎臓病(CKD)」です。これは、腎機能の低下が3カ月以上続く状態を指し、日本では成人の8人に1人が該当するほど身近な病気となっています。しかも、自覚症状がほとんどないため、健康診断で異常を指摘されることが早期発見の大きなチャンスです。
腎機能の主な指標と基準値
血清クレアチニン:男性1.0㎎/dl以下 女性0.7㎎/dl以下
eGFR:60以上
腎機能の異常が引き起こす病気と合併症
腎臓の働きが低下すると、老廃物や水分、電解質がうまく排出できなくなり、全身にさまざまな悪影響を及ぼします。以下のような病気や合併症のリスクが高まります。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病とは、腎機能が60未満の状態が3か月以上続く、または尿たんぱくなどの異常がある状態です。原因としては高血圧、糖尿病、加齢、薬剤性、遺伝性などさまざまですが、日本では生活習慣病に伴って発症するケースが増加しています。初期には症状がほとんどなく、健康診断で異常を指摘されて気づくことがほとんどです。進行すると、透析が必要となる「末期腎不全」に至る可能性があります。
心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)
腎機能が低下すると、血圧のコントロールが難しくなり、動脈硬化が進行します。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な心血管疾患を起こすリスクが2〜4倍に増加すると言われています。つまり、腎臓だけの問題にとどまらず、命にかかわる疾患につながる恐れがあるということです。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
腎臓の異常は、早期に発見し、対策を始めれば進行を遅らせることが可能です。しかし一度低下した腎機能は元には戻りません。だからこそ、健康診断での「ちょっとした異常」が出た段階でしっかり向き合うことが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩になります。
仁川診療所では、腎機能の再検査を通して、患者さま一人ひとりの状態を正確に把握し、生活習慣の見直し、食事療法、必要に応じた薬物治療などを組み合わせた最適な管理を行っています。
腎機能を守るためには、まず塩分の摂りすぎを控えることが重要です。食塩の摂取量は、1日6g未満が理想とされていますが、外食や加工食品には多くの塩分が含まれているため、知らないうちに基準を超えてしまいがちです。日々の食事では、だしや香辛料を活用して、なるべく薄味に慣れる工夫をしましょう。
また、水分の摂り方にも注意が必要です。脱水状態になると、腎臓への血流が減って機能が低下しやすくなります。汗をかく季節や運動をする日には、こまめな水分補給を心がけてください。ただし、腎機能がかなり低下している場合は水分制限が必要になることもあるため、自己判断せず、医師の指導を受けてください。
血圧や血糖のコントロールも、腎臓を守るためには欠かせません。すでに高血圧や糖尿病と診断されている方は、これらの病気が腎機能に与える影響を考慮しながら、より慎重に治療を継続する必要があります。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 健康診断でeGFRが60未満、または尿たんぱくが陽性
- クレアチニンが高いと言われた
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症のいずれかがある
- 足のむくみや尿の泡立ち、頻尿・夜間尿が気になる
- 家族に腎疾患、透析治療中の人がいる
早期の気づきと対応が、腎臓の未来を守ります。
仁川診療所では、地域に根ざした内科クリニックとして、腎機能に不安のある方の再検査・生活指導・定期的なフォローアップまで、しっかりとサポートしてまいります。どうぞ安心してご相談ください。
健康診断で「尿酸値の異常」で再検査と言われたら…
尿酸値の異常、特に「高尿酸血症」は、一見すると体のどこにも異常がないように感じるかもしれません。しかし放置すれば、「痛風」などの非常に強い痛みを伴う発作や、将来的な腎機能障害、動脈硬化などのリスクを引き起こす可能性があります。
尿酸は、体内でプリン体という物質が分解される際にできる老廃物です。本来、腎臓で尿として排出されるものですが、体内で作られすぎたり、排出がうまくいかなかったりすると血液中に溜まっていきます。この状態が「高尿酸血症」です。
高尿酸血症は、特に30〜50代の男性に多く見られますが、最近では食生活の欧米化や飲酒習慣の変化により、女性や若年層にも増えています。再検査は、痛風や腎障害を未然に防ぐ大切なチャンスです。現在症状がない方こそ、数値の意味を正しく知り、適切に対処していくことが重要です。
尿酸値の主な指標と基準値
男性3.6〜7.0mg/dL
女性2.5〜6.0mg/dL
※血中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると、「高尿酸血症」と診断されます。
高尿酸血症が引き起こす病気と合併症
痛風
高尿酸血症の合併症として最も有名なのが「痛風」です。尿酸が関節内に結晶として沈着し、それを免疫細胞が攻撃することで炎症が起きます。発症すると、足の親指の付け根などに突然激しい痛みが現れ、患部が赤く腫れあがり、歩くのも困難な状態になります。発作は数日から1週間程度で落ち着きますが、再発しやすく、放置すれば慢性痛風や腎障害へ進行することもあります。
尿路結石
尿酸が結晶化して腎臓や尿管にたまることで、尿路結石が生じます。背中や脇腹に激痛が走り、尿に血が混じることもあります。尿酸値が高い方は尿が酸性に傾きやすく、尿酸結石ができやすい体質になっている可能性があります。
慢性腎臓病(CKD)
高尿酸血症が長期間続くと、腎臓の中に尿酸結晶が沈着して慢性的な炎症を引き起こします。これにより腎機能が低下し、慢性腎臓病を引き起こすことがあります。さらに、高尿酸血症は高血圧や糖尿病とも関係が深く、これらの病気と相互に悪影響を及ぼします。
動脈硬化・心血管疾患
最近の研究では、高尿酸血症が動脈硬化を進める要因の一つであることが分かってきました。血管内皮の機能が低下し、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まることが報告されています。つまり、尿酸値は単に痛風のリスクだけではなく、全身の血管病のリスク指標とも言えるのです。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
尿酸値の異常は、「今は痛みがないから」「発作が起きていないから大丈夫」と油断してしまいがちです。しかし、健康診断で異常を指摘されたその時が、将来の病気を防ぐ絶好のタイミングです。痛風が起きてから対処するよりも、起きる前に予防する方が、体への負担も、治療の選択肢も、はるかに良い結果につながります。
仁川診療所では、尿酸値が高いと診断された方に対し、生活習慣の見直し指導から、必要に応じた薬物療法の提案まで、一人ひとりに合わせた丁寧な対応を行っています。
日常生活でまず取り組んでいただきたいのは、食事と飲酒の習慣の見直しです。特に、プリン体を多く含む食品(レバー、白子、干物、魚卵、ビールなど)を頻繁に摂っている方は、摂取頻度と量を減らすことで尿酸値の改善が期待できます。
また、アルコールの摂取は尿酸の排出を妨げるため、毎日飲む習慣がある方は見直しが必要です。ビールだけでなく、焼酎や日本酒でも尿酸値は上がることがあります。週に数日は休肝日を設け、適量を守るよう心がけましょう。
運動については、適度な有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング)を継続することで、尿酸の代謝改善に役立ちます。ただし、無酸素運動や激しい筋トレはかえって尿酸を増やす原因になることがあるため、運動内容の選択も重要です。
水分補給も忘れてはいけません。尿量を確保し、尿酸の排出を促すためには、1日1.5~2リットルを目安に水分を摂ることが推奨されます。コーヒーや緑茶でも構いませんが、糖分の多い清涼飲料水は避けた方がよいでしょう。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 尿酸値が7.5mg/dL以上の方
- 数値は軽度でも、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある方
- 痛風発作を過去に経験したことがある
- 尿路結石の既往がある
- 食生活や飲酒習慣に不安があるが、改善方法が分からない方
尿酸値のコントロールは、一時的な対策ではなく、継続的な生活管理が必要なテーマです。仁川診療所では、定期的な検査や栄養相談を通じて、痛風や腎障害を未然に防ぐためのサポートを行っています。ご自身の健康状態を正しく知ることが、健康な未来への第一歩です。
健康診断で「尿の異常(尿潜血・尿たんぱく)」で再検査と言われたら…
健康診断の尿検査で「尿潜血陽性」や「尿たんぱく陽性」と指摘されると、驚いてしまう方も多いかもしれません。
「痛みもないし、何かの間違いでは?」と思ってしまうこともあるでしょう。ですが、尿に異常が見つかるということは、腎臓・尿管・膀胱といった泌尿器系のどこかに、何らかの問題が起きている可能性があるサインです。
尿検査は、病気の早期発見につながる大切な検査です。特に尿たんぱくや尿潜血は、自覚症状がないまま進行する「慢性腎臓病」や「尿路がん」などの兆候であることもあるため、たとえ症状がなくても再検査は非常に重要です。
尿検査で指摘される主な指標と基準値
- 尿潜血(尿に赤血球が混じっている)
基準値:陰性(−)
異常の程度:±〜+++(数字が大きいほど赤血球量が多い) - 尿たんぱく(本来、尿に出るべきではないたんぱく質)
基準値:陰性(−)
異常の程度:+~+++(数値が高いほど重度)
尿の異常が引き起こす病気と合併症
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病は、腎機能が徐々に低下していく病気です。初期には自覚症状がほとんどありませんが、放置すると腎不全に進行し、透析治療が必要になることもあります。尿たんぱくはCKDの早期発見の重要な手がかりです。
特に糖尿病や高血圧のある方は腎臓に負担がかかりやすく、定期的な尿検査と血液検査による評価が必要です。
IgA腎症
IgA腎症は、風邪などの感染症に続いて起こることが多い腎炎で、特に若年層にも発症します。血尿(尿潜血)やたんぱく尿が持続する場合に疑われ、腎生検(腎臓の組織を一部採取して調べる検査)によって診断されることもあります。
進行すると腎機能が低下していくため、早期発見と継続的な管理が重要です。
尿路結石
腎臓や尿管にできた結石が尿路の内壁を傷つけ、尿に血が混じることがあります。痛みがない「無症候性血尿」として発見されることも多く、尿潜血がきっかけで発見される場合も少なくありません。
膀胱炎・腎盂腎炎
女性に多く見られる病気で、排尿時の痛みや頻尿、発熱を伴うこともあります。尿潜血・尿たんぱくともに陽性になることが多く、再発性の膀胱炎や慢性腎盂腎炎では腎機能障害に発展する可能性もあります。
腎がん・膀胱がん
尿潜血が唯一の症状ということもあります。特に高齢の方、喫煙歴のある方は注意が必要です。定期的に潜血陽性が続く場合は、画像検査による評価が推奨されます。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
尿の異常は、「痛みもないし、症状も出ていないから大丈夫」と放置されがちです。しかし、それこそが腎臓や尿路の病気の特徴でもあります。自覚症状が出るころには、すでに病気が進行していることもあるのです。
仁川診療所では、健康診断で尿の異常を指摘された方に対して、まず再検査を行い、腎機能や泌尿器系の評価、生活習慣との関係を丁寧にチェックします。
ご自宅でできるケアとしては、まずこまめな水分補給を意識すること、過剰な塩分摂取を控えること、適度な運動や規則正しい生活を続けることが基本となります。特に、糖尿病・高血圧・脂質異常症をお持ちの方は、腎臓の健康を守るためにも尿異常を放置してはいけません。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 尿たんぱくと潜血の両方が陽性
- 検診で2回以上異常を指摘されている
- 家族に腎臓病・糖尿病の方がいる
- 喫煙習慣がある
- 最近、倦怠感やむくみ、尿の泡立ちが気になる
尿の異常を“小さな異常”として見逃さず、ぜひこの機会に体の声に耳を傾けてください。
仁川診療所では、地域に根差したかかりつけ医として、腎臓や泌尿器の健康を守るお手伝いをいたします。健康診断結果をお持ちいただければ、その場でご相談も可能です。お気軽にお越しください。
健康診断で「便潜血陽性」と再検査と言われたら…
便潜血陽性は、大腸がんやポリープなどの出血を伴う病変を早期に発見する重要なサインです。
特に、日本では大腸がんの罹患率が増加しており、女性ではがん死亡原因の第1位、男性でも上位にランクインしています。早期の大腸がんには自覚症状がほとんどなく、健康診断による便潜血検査が発見の第一歩となるケースが多くあります。
便検査で指摘される主な指標と基準値
陰性(−):検出されず
陽性(+):血液が検出された
便潜血陽性で疑われる病気と合併症
便潜血検査は、「腸の中に何か出血を起こしている原因があるかどうか」を判断するためのスクリーニング検査です。
大腸がん
便潜血陽性の最も重篤な原因として、まず考えなければならないのが大腸がんです。がんからの微細な出血が便に混じり、目では見えない量でも便潜血検査で検出されます。
大腸ポリープ(腺腫)
大腸の内壁にできる隆起性病変で、良性のものが多いですが、中には将来がん化する可能性のある「腺腫」もあります。
痔
痔からの出血で陽性となるケースも少なくありません。ただし、痔だと思っていたら実は大腸がんだったということもあるため、「痔があるから大丈夫」と思い込むのは危険です。
健康診断で「心電図の異常」で再検査と言われたら…
健康診断の結果に「心電図異常」と書かれていたとき、「えっ?心臓が悪いの?」「このまま放っておくと危険?」と不安になる方は少なくありません。
特に、症状が何もない方にとっては、「自分が心臓病かもしれない」という言葉の重みは、思った以上に大きいものです。
しかしまず知っていただきたいのは、心電図異常=すぐに重大な心臓病というわけではないということです。
健康診断で行う心電図は、わずか10秒程度の短い記録です。そこに映る“電気のリズム”の中に異常が見られた場合に、再検査をすすめられるのです。
とはいえ、中には放置すると命にかかわる不整脈や虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症など)が潜んでいるケースもあります。
健康診断で心電図異常を指摘された方は、「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、一度しっかりと再検査を受けていただくことが重要です。
仁川診療所では、心電図異常の再検査として、安静時12誘導心電図の再評価や、24時間心電図(ホルター心電図)、心エコー、血液検査などを必要に応じて実施し、的確な診断と生活指導を行っています。
健康診断で心電図異常とされる主な所見と意味
不整脈(期外収縮、心房細動など)
心臓の拍動が一時的に早くなったり、リズムが乱れる状態です。
- 期外収縮
拍動の合間に“余分な拍動”が入るもので、ストレスや睡眠不足、カフェインなどでも起こることがあります。単発であれば心配ないことも多いです。 - 心房細動
高齢者に多く、心房のリズムが乱れて血流が滞り、血栓ができやすくなります。脳梗塞のリスクが高くなるため、早期の診断と治療が必要です。
虚血性変化(ST変化、T波異常など)
心臓の筋肉(心筋)に十分な血液が届いていない状態が疑われる所見です。
ST低下や上昇、T波の陰転などが代表的なサインで、狭心症や心筋梗塞の可能性を示唆することがあります。
無症状でも進行していることがあるため、心エコーや負荷心電図、冠動脈CTなどの精密検査が推奨されます。
心室肥大・心房拡大
心臓の壁が厚くなっていたり、部屋(心房・心室)が大きくなっているサインです。
高血圧や弁膜症、心筋症などが原因となることがあります。
心臓の負担が長く続いている状態であり、心不全のリスクが高くなります。
伝導障害(房室ブロック、脚ブロックなど)
心臓の電気信号が正常に伝わらない状態で、拍動の遅延や途絶を示す異常です。
一部は加齢による変化で経過観察となることもありますが、重症化するとペースメーカーが必要となるケースもあるため注意が必要です。
心電図異常が引き起こす病気と合併症
狭心症・心筋梗塞
心臓を栄養する冠動脈が狭くなることで、酸素供給が不足し、心筋がダメージを受ける病気です。
狭心症では運動時やストレス時に胸痛が現れ、心筋梗塞では血管が完全に詰まり、心臓が壊死します。
心電図ではSTやT波の変化が見られることがあり、特に50歳以上の男性、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病がある方では要注意です。
心房細動(脳梗塞のリスク因子)
心房細動は、心房が細かく震えるように動く不整脈で、血液の流れが滞り、血栓ができやすくなります。
この血栓が脳へ飛ぶと、脳梗塞を引き起こすことがあるため、非常に注意が必要です。
高齢者や高血圧患者に多く、心電図異常からの発見が命を守るきっかけになることもあります。
心不全
心室肥大やリズム障害が続くと、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液が送れなくなります。
息切れやむくみ、倦怠感などが生じ、重症化すると入院や治療が必要となります。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
健康診断で心電図異常を指摘された場合、「症状がないから大丈夫」とそのまま放置されることが少なくありません。
しかし、心電図異常の背後には、心筋梗塞、心房細動、心不全といった重大な病気が静かに進行していることもあります。
仁川診療所では、再検査が必要とされた方に対し、安静時心電図の再評価だけでなく、必要に応じてホルター心電図(24時間記録)、心エコー検査、血液検査などを組み合わせて、より正確に心臓の状態を確認しています。
また、もし異常がなかった場合でも、今後の生活習慣や予防策について分かりやすくアドバイスいたします。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 健康診断で毎年心電図異常を指摘されている
- 50歳以上の方で、心臓疾患の家族歴がある
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症を治療中
- 日常的に動悸や息切れ、胸の違和感を感じる
- スポーツ中に突然のめまいや失神を経験したことがある
早期の検査によって安心できることもありますし、万が一病気が見つかったとしても、早い段階での対処が将来のリスクを大きく減らすことに繋がります。
健康診断結果に不安を感じた方、心電図の内容がよく分からないという方も、ぜひ一度仁川診療所までご相談ください。地域の皆さまの“心臓のかかりつけ医”として、丁寧に対応いたします。
健康診断で「心雑音の異常」で再検査と言われたら…
健康診断の聴診で「心雑音がありますね」と医師に言われたとき、驚いたり、すぐに「心臓の病気では…?」と不安に感じられる方が多いと思います。
しかし、すべての心雑音が病気を意味するわけではありません。中には一時的なものや、身体的に問題のない“無害な雑音(機能性雑音)”も存在します。
とはいえ、年齢や症状、診察時の雑音の性質によっては、重大な心臓の病気のサインである可能性もあるため、正確な判断には再検査が必要です。
特に成人してから新たに雑音を指摘された場合や、以前になかった雑音が新たに現れた場合には、弁膜症や心筋疾患など、早期に対応すべき病気が隠れていることもあります。
仁川診療所では、健康診断で心雑音を指摘された方に対し、心臓超音波検査(心エコー)をはじめとした非侵襲的な検査で、心臓の構造や機能の精密な評価を行います。
心雑音とは?どのようにして発見されるのか
心雑音とは、聴診器で心音を聞いた際に、「ドクン」という通常の音とは別に、「シャー」「ヒュー」というような異常な音が混じる状態を指します。これは、心臓の中を流れる血液が乱流(スムーズでない流れ)を起こしていることを意味しています。
通常、心臓内の血流は非常にスムーズですが、何らかの原因で血流に乱れが生じると、その音が雑音として聴こえるのです。
心雑音で疑われる代表的な病気と合併症
弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症など)
心臓には4つの弁があり、それぞれが血流の“逆流防止弁”として働いています。これらの弁が加齢や感染、先天性の異常でうまく開閉しなくなると、血液が逆流したり、通りにくくなったりして心雑音が発生します。
- 僧帽弁閉鎖不全症
左心房と左心室の間の弁がうまく閉じず、血液が逆流する状態。放置すると心不全へと進行します。 - 大動脈弁狭窄症
大動脈弁が硬くなり、血液の出口が狭くなる。運動時の息切れや失神などの症状を伴うことがあります。
いずれも、高齢化に伴い増加しており、初期には無症状なことが多いため、雑音からの発見が重要です。
先天性心疾患(心房中隔欠損症など)
生まれつき心臓の壁に穴がある、あるいは弁の形成に異常がある状態です。軽度なものでは症状が出ないまま成人まで経過し、健康診断で雑音を指摘されて初めて見つかることもあります。
心房中隔欠損症では、左右の心房間に小さな孔があり、血流の異常な流れによって雑音が生じます。長期間放置すると肺高血圧や不整脈の原因になることもあります。
心肥大・心筋症
心臓の筋肉が厚くなる「肥大型心筋症」や、筋肉が弱くなってしまう「拡張型心筋症」などでは、血液の拍出がスムーズにいかなくなり、雑音が聞こえることがあります。
これらは心不全や突然死の原因となることもあるため、早期発見・早期管理が重要です。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
健康診断で「心雑音がありますね」と言われたとき、特に症状がない場合は「様子を見ていればいいかな」と思ってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、心雑音はときに命に関わる心疾患の早期サインであることもあります。
仁川診療所では、心雑音を指摘された患者さまに対し、心臓超音波(心エコー)検査や心電図検査を通じて、心臓の構造や弁の働き、拍出力、心房・心室の状態などを詳細に確認いたします。
検査は身体への負担も非常に少ない非侵襲的な方法です。症状がない方でも、早期に正確な評価を行うことで、必要な対策を取ることができます。
すぐにクリニックを受診すべき数値の目安
- 40歳以上で初めて心雑音を指摘された
- 息切れや動悸、めまいなどが気になる
- 家族に心臓の病気がある
- 高血圧・糖尿病など生活習慣病がある
- 健康診断で毎年、同じ箇所の雑音を指摘されている
心臓の病気は進行すると、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。逆に、早い段階で見つかれば、生活の工夫や投薬で進行を抑えることができる病気もたくさんあります。
健康診断結果を見て不安を感じた方、「再検査」と書かれていたけど何をすればよいかわからないという方も、どうぞ仁川診療所にご相談ください。
皆さまの心臓の健康を守るために、専門的かつ丁寧にサポートいたします。
健康診断で「胸部レントゲンの異常」で再検査と言われたら…
健康診断の結果で「胸部レントゲンに異常影が見つかりました」「肺に影があります」「再検査をおすすめします」と言われると、誰もが不安な気持ちになるものです。
「肺に病気があるのでは?」「がんかもしれない?」という心配も当然のことです。
しかし、レントゲンで「影がある」と言われたからといって、すぐに重大な病気があるとは限りません。実際には、過去の炎症の痕跡や骨の構造、体位や呼吸の違いによる映り方の変化が原因で「影」と判定されることもあります。
それでも大切なのは、「異常影」と言われたときにきちんと再検査を受け、原因をはっきりさせることです。特に肺は、症状が出にくい部位でもあり、進行するまで気づかない病気もあるため、健康診断での異常は貴重な早期発見の機会となります。
胸部レントゲンで指摘される「異常」の主な内容とその見方
健康診断の胸部レントゲンでは、肺や心臓、気管支、横隔膜などが評価されます。以下のような表現で「異常影」が指摘されることがあります。
結節影 | 丸い影。 腫瘍性病変(良性・悪性)や陳旧性炎症が原因のことも。 |
---|---|
索状影 | 細く帯状に見える影。 過去の肺炎や結核の瘢痕が多い。 |
浸潤影 | 白くぼんやりした影。 急性の炎症(肺炎)や出血が疑われる。 |
線状影 | 線のように見える影で、間質性肺炎などの可能性がある。 |
胸膜肥厚影 | 肺の表面(胸膜)が厚くなった影で、過去の炎症後の変化。 |
心陰影拡大 | 心臓の影が大きく見える状態。 心肥大や心不全の疑い。 |
石灰化影 | 白くて硬い影。 良性の古い炎症や石灰沈着のことが多い。 |
胸部レントゲンの異常が関連する可能性のある病気
肺がん
肺がんは、日本人のがん死亡原因のトップであり、特に喫煙歴のある方や50歳以上の男性に多い傾向があります。初期の肺がんは症状がほとんどなく、健康診断でのレントゲン検査が発見のきっかけとなることが少なくありません。
がんの影は「結節影」「腫瘤影」として見つかることがありますが、良性との区別はレントゲンだけでは難しく、CTや喀痰細胞診などの精密検査が必要になります。早期発見により、治療の選択肢が大きく広がります。
肺結核
かつて「国民病」とも呼ばれた結核は、現在でも年間1万人前後の新規患者が報告されています。結核菌に感染すると、肺に慢性的な炎症が起こり、浸潤影や空洞(キャビティ)などの所見が出ることがあります。
免疫力が低下した高齢者や糖尿病患者、過去に結核の既往がある方は再発の可能性もあるため、再検査による正確な診断が必要です。レントゲン異常を放置すると、まわりへの感染リスクもあるため注意が必要です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長年の喫煙が原因で起こる肺の慢性炎症性疾患で、肺胞が破壊され呼吸機能が低下します。レントゲンでは「肺の過膨張」や「血管陰影の減少」などが見られることがあります。
軽度では自覚症状が乏しいこともありますが、放置すると日常生活に支障が出るほど息切れがひどくなります。
宝塚市の仁川診療所からのメッセージ
レントゲンで「影があります」「異常があるかもしれません」と言われたとき、多くの方が「がんではないか」「手術になるのでは」と強い不安を抱かれます。しかし、その影が本当に異常なのか、それとも一時的なものなのか、あるいは良性のものなのかを見極めるのは再検査でしかできません。
ご自宅では、まず現在の体調に注意を払ってください。以下のような症状があれば、放置せず、早めにご相談いただくことが大切です。
- 咳や痰が長引いている(2週間以上)
- 息切れや呼吸困難を感じることがある
- 微熱が続く、体重が急に減ってきた
- 胸に痛みや違和感がある
- 喫煙歴が長い、または家族に肺の病気の既往がある
仁川診療所では、そうした患者さまに対して、「単に画像の異常を見るだけ」ではなく、全身状態と背景を考慮した医療判断を行い、安心できる診療を心がけております。
健康診断での異常は、「体からの警告」です。症状がないうちに対応できることが、将来の健康を守る最大のポイントになります。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
健康診断の異常についてよくある質問(Q&A)
いいえ、「再検査=病気の確定」ではありません。
健康診断は、あくまで一次スクリーニングです。体調や生活習慣の一時的な影響で数値が上下することも多く、再検査は「念のため詳しく調べましょう」という意味合いです。早期発見のチャンスととらえて、ぜひ受診してください。
はい、症状がなくても再検査は必要です。
生活習慣病や慢性疾患の多くは、自覚症状のないまま進行するのが特徴です。症状がない「今」こそ、異常のサインを見逃さないことが大切です。
「要再検査」は、軽度の異常や確認が必要な場合、「要精密検査」は明確な異常がある場合に使われます。
再検査は経過観察や生活改善の確認を目的とすることもありますが、精密検査は病気の可能性を精査するための医療機関での専門検査を指します。
異常を指摘された項目に応じて、血液検査、尿検査、心電図、エコー、CTなどを行います。
例えば脂質異常なら再採血、尿潜血なら尿の再検査や腎エコーなど、身体の状態に合わせて必要な検査を選択します。必要に応じて専門の医療機関へ紹介を行っています。
はい、1項目だけでも受診した方がいいです。
複数の病気が1つの数値に現れることもあり、「1つだけだから」と見逃すことで、将来的に重大な病気につながることがあります。
はい、食事内容・水分摂取・睡眠不足・運動などが一時的に数値に影響を与えることがあります。
そのため再検査では、できるだけ正確な条件(空腹時、朝、安静)で行うことが推奨されます。
異常が進行し、重大な病気に発展する可能性があります。
たとえば高血圧・糖尿病・脂質異常などは、放置すると心筋梗塞・脳卒中・腎不全の原因になることがあります。再検査は将来の健康を守るための「予防医療」です。
はい、仁川診療所では健康診断結果のご相談だけでも診察可能です。
「何から始めればいいかわからない」「病院を受診するほどでは…」と思われる方も、まずは結果を持参してお気軽にご相談ください。
できるだけ早めの受診をおすすめします。
異常の内容にもよりますが、健康診断後1か月以内を目安に再検査を受けるのが理想的です。早く受ければ受けるほど、結果をふまえた対策もスムーズに行えます。
再検査で異常がなければ安心ですが、生活習慣の見直しや経過観察が必要な場合もあります。
再検査は“安心を確認する機会”でもあります。異常がなかった場合でも、再発予防や生活習慣の改善ポイントを把握するきっかけとしてご活用ください。
さいごに
健康診断の結果で「再検査をおすすめします」と言われたとき、多くの方が感じるのは、「自分が病気なのではないか」という不安と、「まだ何も症状がないのに、病院に行くべきなのか」という戸惑いではないでしょうか。
でもどうか、その結果を「まだ大丈夫」と思って見過ごさないでください。
健康診断の異常は、体からの小さなSOSです。異常値が出たということは、「今の生活習慣や体の状態に、改善の余地がある」ということの現れであり、再検査は「病気を未然に防ぐためのチャンス」でもあるのです。
自覚症状がなくても、健康診断で異常を指摘されたことには必ず意味があります。早めの再検査と適切な対応を行えば、重症化を防ぎ、健康寿命を延ばすことが可能です。
仁川診療所では、健康診断結果に不安を感じた方に対して、
- 健康診断結果のわかりやすい説明
- 異常項目に応じた再検査や専門検査の実施
- 必要に応じた生活習慣のアドバイスや治療提案
- 定期的なフォローアップ
など、ひとりひとりの健康状態とライフスタイルに合わせた診療を心がけています。
健康診断結果をお持ちのうえ、お気軽にご相談いただけます。
「この数値って放っておいて大丈夫?」「このまま様子を見てもいい?」という些細な疑問でも構いません。
私たちは、地域に根差したかかりつけ医として、みなさまの健康をサポートし続けます。
どうぞ、健康診断の「再検査」という機会を、“不安”ではなく、“安心”へとつなげる第一歩にしてください。
参考・出典元一覧

仁川診療所
院長 横山 亮
(よこやま りょう)