宝塚市の内科・循環器内科・皮膚科の仁川診療所

column

ホーム コラム 【皮膚科監修】帯状疱疹はうつるの?ワクチンは必要?どの診療科にかかる?気になる疑問をまとめて解説!

【皮膚科監修】帯状疱疹はうつるの?ワクチンは必要?どの診療科にかかる?気になる疑問をまとめて解説!

,

ある日突然、ピリピリとした痛みとともに赤い発疹が帯状に現れる…。

それが「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」の典型的な症状です。

50代以降に発症が増えるこの病気。

「帯状疱疹はうつるの?」「何科に行けばいい?」「ワクチンは接種すべき?」といったご相談が非常に多くなっています。

帯状疱疹とは何か?──誰にでも起こり得る身近なウイルス性の疾患

帯状疱疹は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスによって引き起こされる感染症です。

このウイルスの正体は、実は多くの人が子供の頃に経験する「水ぼうそう」と同じもの。

水ぼうそうを発症した後も、ウイルスは完全に消えることはなく、神経節と呼ばれる部分に長期間潜伏し続けます。

そのウイルスが、加齢やストレス、疲労、病気による免疫力の低下によって再び活動を始めると、帯状疱疹として症状が現れます。

つまり、帯状疱疹は新たな感染ではなく、「かつて感染したウイルスの再活性化」によって起こる再発型の病気なのです。

発疹が出る前に、皮膚の一部にピリピリした痛みや違和感が現れ、それが数日後に水ぶくれを伴う発疹となって帯状に広がるのが特徴です。

帯状疱疹は「うつる」のか?─感染経路と注意点を解説

帯状疱疹って人にうつるの?」という疑問は、患者さんから非常によく寄せられます。

正確には、帯状疱疹そのものが他人にうつることはありません。しかし、例外があります。

帯状疱疹の水疱には、活性化したウイルスが含まれており、これがまだ水ぼうそうにかかったことがない人に接触感染すると、水ぼうそうとして発症する可能性があるのです。

特に乳幼児や妊婦、免疫力が低下している人にとっては感染リスクがあるため、帯状疱疹の発疹がある期間は他人との接触に注意する必要があります

水疱が破れた場合はウイルスの排出量が増えるため、患部はガーゼなどで覆い、こまめに清潔を保つことが大切です。

また、水ぼうそうにかかったことのない人、特に子どもにはなるべく接触を避けるようにしましょう。

「帯状疱疹ワクチン」で予防はできる?健康投資!

帯状疱疹は、ワクチンで予防できる数少ないウイルス性疾患の一つです。

予防効果が科学的に証明されていることから、近年は「帯状疱疹ワクチン」の接種を希望される方が増えています。

ワクチンには2種類あり、1つは「弱毒生ワクチン」、もう1つは「不活化ワクチン」です。

弱毒生ワクチンは1回の接種で済みますが、持続効果は数年程度とされています。

一方、不活化ワクチンは2回の接種が必要ですが、より強力な免疫が得られ、帯状疱疹の発症リスクを大幅に下げ、発症しても重症化を防ぐ効果があると報告されています。

特に50歳以上の方や、糖尿病、がん治療中の方、慢性疾患を抱えている方には、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されるケースが多いです。

接種後の副反応としては、接種部位の腫れや痛み、軽い発熱が見られることがありますが、通常は数日で自然に治まります。

強い副作用が起きることは極めてまれです。

帯状疱疹を疑ったら何科を受診する?─受診タイミングが重要です

帯状疱疹は何科で診てもらえるの?」というのもよくある質問の一つです。

帯状疱疹は、皮膚症状と神経の痛みの両方を伴う病気であるため、診療科選びが重要になります。

まず、皮膚に発疹が出ている場合は皮膚科が適しています。

一方、発疹よりも先に痛みや神経の違和感(ピリピリ)だけが出ている段階では、内科に相談するケースもあります。

また、がん治療中や糖尿病などの持病がある場合は、かかりつけの内科で全身状態を踏まえて治療を検討してもらうのが安心です。 帯状疱疹は発症から72時間以内に治療を開始することが極めて重要とされており、できるだけ早めに受診することが回復を早め、後遺症を防ぐカギとなります。

帯状疱疹の治療法は?後遺症を残さないための早期対応が重要

帯状疱疹の治療は、主に抗ウイルス薬の内服や点滴によるウイルスの抑制です。

ウイルスの増殖を早期に食い止めることで、症状の進行を抑え、神経痛などの後遺症(帯状疱疹後神経痛)を防ぐことができます。

同時に、痛みが強い場合には鎮痛薬や神経ブロック治療などが併用されることもあります。

また、自宅では患部を冷やしたり、刺激を避けることで痛みを軽減することが可能です。

痛みが数ヶ月以上続く場合、それは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる後遺症であり、慢性的な神経の痛みに悩まされる方もいます。

この後遺症を防ぐためにも、「発疹が出たらすぐ医療機関へ」が鉄則です。

子どもの水ぼうそうと帯状疱疹の関係─予防のカギはワクチン接種

子どもの時期に「水ぼうそう」にかかっておくと、一度感染したウイルスが体に潜伏し、将来「帯状疱疹」として再発する可能性があります。

つまり、水ぼうそうは帯状疱疹の“前身”ともいえる存在なのです。

現在、日本では水ぼうそうワクチンが定期接種として行われており、多くの子どもたちが小児期に予防接種を受けています。

このワクチンにより、水ぼうそうそのものを防げるだけでなく、将来的に帯状疱疹になるリスクも軽減されるとされています。

親御さんにとっては、お子さんのためのワクチン接種が、将来の帯状疱疹リスクの低減にもつながると知っておくことが大切です。

接種のタイミングや副反応については、かかりつけの内科・小児科に相談しましょう。

帯状疱疹を繰り返さないために─生活習慣の見直しも大切

帯状疱疹を予防するうえで、ワクチン接種に加えて日常生活の見直しも重要です。

特に現代人は、ストレスや過労、睡眠不足といった「免疫力を低下させる要因」に日々さらされています。

栄養バランスのとれた食事を心がけ、十分な睡眠をとり、無理のない範囲で運動を取り入れること。

これらは、免疫力を底上げし、ウイルスの再活性化を防ぐうえで非常に効果的です。 また、慢性疾患(糖尿病、腎臓病など)をお持ちの方は、基礎疾患のコントロールも含めて医師と相談しながら生活管理を行いましょう。

さいごに 帯状疱疹は正しい知識と対策で防げる・治せる病気です

帯状疱疹は、誰にでも発症する可能性のある身近な病気です。

適切な感染対策と早期の受診によって、症状の悪化や周囲への感染リスクを減らすことが可能です。

さらに、「帯状疱疹ワクチン」は発症予防や重症化防止に非常に有効であり、50歳を過ぎたらぜひ検討したい予防手段です。

帯状疱疹は何科で診てもらえるの?」と迷ったら、まずは内科または皮膚科を受診してください。

発疹や痛みを軽く見ず、正しい知識を持って行動することが、自分と周囲の健康を守る第一歩になります。

お問い合わせ・ご予約はお電話またはWEBからどうぞ。