知っておきたい胃腸炎の種類|ウイルス性と細菌性はここが違う
胃腸炎には大きく分けて「ウイルス性」と「細菌性」の2タイプがあります。
ウイルス性胃腸炎
代表的な原因は、ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルスです。急な吐き気や嘔吐、水のような下痢、腹部の痛み、発熱などが典型的な症状として現れます。ウイルス性の特徴は感染力の強さにあり、家族間や保育園・学校などの集団生活で一気に広がるケースが少なくありません。感染者の吐物や便に触れた手からの接触感染、くしゃみや咳による飛沫感染、汚染された食べ物・飲み物を介した経口感染など、さまざまなルートで広がります。
細菌性胃腸炎
カンピロバクター・サルモネラ・腸炎ビブリオなどの細菌が原因となります。加熱が不十分な肉類や、衛生管理が行き届いていない食品・飲料水から感染することが多く、「食中毒」と呼ばれることもあります。ウイルス性と症状は似ていますが、便に血が混じったり、39度を超えるような高熱が出たりする傾向があります。
いずれのタイプでも共通して注意したいのが脱水です。嘔吐や下痢を繰り返すと、体内の水分とミネラルが急速に失われます。こまめな水分補給を欠かさないようにしましょう。
胃腸炎で仕事・学校・保育園は何日休む?復帰のタイミングを解説
胃腸炎にかかったとき、「いつから職場や学校に戻っていいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
一般的には、嘔吐や下痢といった主要な症状がおさまってから24〜48時間は自宅で静養するのが望ましいとされています。ただし、勤務先や通っている学校・園によってルールが異なる場合があるため、確認が必要です。
職場の場合
飲食業や医療・介護・保育といった現場では、感染拡大を防ぐために独自の基準が設けられていることがあります。症状がおさまった後も、医師の診断書や検便検査の結果提出を求められるケースがあるため、復帰前に上司や担当者へ相談しておくと安心です。
保育園・学校の場合
子どもは感染しやすく、重症化のリスクも高いため、より慎重な判断が求められます。多くの施設では「嘔吐・下痢がおさまり、普通に食事がとれるようになった」ことを登園・登校の条件としています。同居家族に感染者が出た場合は、園や学校へ早めに報告し、対応を相談してください。
家族にうつさないための感染対策|具体的な予防ポイント
感染者の隔離と生活用品の使い分け
できる限り感染者は別の部屋で過ごし、食器・タオル・寝具は他の家族と共有しないようにします。
吐物・排泄物の正しい処理
処理の際は使い捨ての手袋とマスクを必ず着用します。ペーパータオル等で拭き取った後は、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)でしっかり消毒してください。汚れた衣類やシーツは、ほかの洗濯物と分けて洗いましょう。
手洗い・換気の徹底
石けんを使った丁寧な手洗いを1日に何度も行い、室内の空気を入れ替えることも忘れずに。
胃腸炎の治し方と受診の目安
胃腸炎の治療は、基本的に対症療法が中心となります。
自宅ケアでは、水分と電解質の補給を最優先にしましょう。食事は無理に摂る必要はありませんが、食べられそうならおかゆ・やわらかく煮たうどん・バナナなど、胃腸にやさしいものを少しずつ口にしてください。脱水を防ぐために、経口補水液やスポーツドリンクをこまめに飲むことが大切です。
市販の下痢止めや整腸剤については、自己判断での使用に注意が必要です。とくに細菌性胃腸炎の場合、下痢を止めてしまうと病原菌の排出が遅れ、回復が長引く恐れがあります。薬の使用については、かかりつけ医に相談するのが安心です。
こんな症状があればすぐ受診を
- 激しい嘔吐・下痢が止まらず、水分がまったく摂れない
- 尿の量が極端に減った、または出ない
- 便に血が混じる、あるいは黒っぽい便が出る
- 38度以上の発熱が長時間続く
- 意識がぼんやりする、ぐったりして反応が鈍い
上記のような症状がみられる場合は、脱水や重症化のサインです。内科または小児科を早めに受診してください。
胃腸炎のよくある疑問Q&A
Q. 胃腸炎は何日休むのが適切?
A. 嘔吐や下痢がおさまってから24〜48時間は自宅で休養し、職場や学校のルールに従って復帰しましょう。
Q. 胃腸炎が治ったサインはどこで判断する?
A. 嘔吐・下痢がおさまり、食欲が戻って熱も下がれば、回復に向かっているサインといえます。
Q. 家族はいつまで感染に気をつけるべき?
A. 症状が治まった後も1〜2週間程度は感染力が残る可能性があります。引き続き手洗いと消毒を続けてください。
まとめ:感染期間と復帰のタイミングを正しく理解しよう
胃腸炎の感染期間は、原因となるウイルスや個人差によって異なりますが、症状がおさまった後も数日〜2週間は他の人にうつす可能性があります。職場や学校への復帰は、自身の体調だけでなく、周囲への影響も考慮して判断することが大切です。
回復の判断に迷ったときは、内科クリニックで相談し、医師のアドバイスを受けるのがおすすめです。普段から正しい手洗いや食品の衛生管理を心がけ、感染予防を習慣化しましょう。
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仁川診療所
院長 横山 亮
(よこやま りょう)